いくつも想いが風に乗り、蒸し暑い夏の夜を駆け抜ける。

かざぐるまが  回る…



色とりどりの薔薇にも似た、手裏剣にも似た、キャンディにも似た、

華やかで甘く、痛々しい世界が、

いっせいに  回る…  回る…


人の噂の吐息に吹かれ、

無理やりに  回る…  回る…  回る…



千本のかざぐるまが、色鮮やかにその日を染め上げてゆく…




回ってるの?




舞わされてるの?






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なまぬるい水の中を元気なく泳ぐ。

次から次へと救いの手が伸びる。


このままでも、ひと夏の享楽に溺れ、終わりを告げる人生なのに…


なぜか、救いの手から逃げ続けるわたし。



どちらにしても…   いっそこのまま…



力なく救われるわたしは、人の情けに便乗し、

最高になまぬるい、極楽の人生を期待して、



ふやけたモナカに、身をゆだねる…






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流される…   人の波。

逆らう事。  出来るはずもない   二人…

予想もつかない力。  ギュッと手を握る。


遥か遠く。  ビルの谷間から見え隠れする真夏の大輪。

熱く眩しいあたなのぬくもり…

雑踏の中。  頭しか見えないビルの下。


わたしは足元の流れを見る。  早くなる鼓動。

すぐそこに感じる花火のようなこの夜。



一秒でも愛おしく、千年でも続くよう、祈る。



わたしは、ビルの谷間を流れてゆく…






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忘れられないの。  どうしても。

欲しくなるの。  あの感覚…

あれだけが「生きてるって」感じられる一瞬なの。


不純でしょ。



抑えられないの。  どうしても。

脳が命令するの。  あの行為…

あれだけが「死ねるって」勇気が沸く瞬間なの。


不毛でしょ。






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寂しさに寂しさを上乗せして

悲しみに悲しみを上塗りする



塗り重ねられた憎しみは

何をすれば晴らせるのですか?



憤りに憤りを上乗せして

虚しさに虚しさを上塗りする



塗り重ねられた叫びは

どうすれば剥がせるのですか?



色に染まった正義はマーブリング。

嘘で固めた世界を灰色にする。





尖った孤独は自らを真実と歌う。







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風を切ってスローモーション。

ブリッジからは霞んだ摩天楼。

バックミラーにあなたが映る。



シフトダウンの円周率。

心地よい重力がシートを歪ませる。



パーキングでは狂乱の宴。

交錯する爆音はユーロビートとヒップホップ。


カン高い排気音と悲鳴のようなスリップ音が、

低い夜空に鳴り響く。




わたしは




重油の匂いがする風を纏ながら、

白い煙を燻らす…



爆音はいつしか優しい子守唄となり

鼻を突く匂いは真っ白な世界にいざなう…







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連続する光と闇。

突き上げる子守唄が身体に刺さる。



見知らぬ人の











冷たい夜風が

頬杖の隙間をすり抜けていく…

私は何も見えぬ闇の中に

何かを浮かべている…



捏造された過去か?

美化された未来か?





連続する光と闇。

かすれた私の












鉄の焼ける匂いが

旅の終着を告げる…






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ついに切り出してしまったのね。


もう後には戻れない。   わかってるわよね。


今、口にした言葉の意味を…



ついにやってきてしまったのね。


もう先には進めない。   わかってたわよね。


今、実現した二人の想いを…




どちらが卑怯なのか?    どちらが勝者なのか?

先に言った方が負け。    言われた方は被害者。



でも、それも、予定調和の茶番劇…

望みが叶った二人は、ジャンヌダルク気取りのドンキホーテ。




二人が望んだ



最後の言葉。





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小さな   小さな   水たまり。

大きな   大きな   水色が映っていたよ。



小さな   小さな   水たまり。

静かな   静かな   航海が始まっていたよ。



小さな   小さな   水たまり。

大事な   大事な   夢が浮かんでいたよ。



小さな   小さな   水たまり。

無邪気がすべてを弾き飛ばしてしまったよ。



七色の   七色の   七色の橋の向こうへ。





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街に同化し、個性の中に埋没するわたし…


喜怒哀楽が、一秒の中に凝縮されている。


砂時計を許さないわたしは、確信犯で電源を切る。


大きく映し出されるデジタル。


一秒のリミットで背中に張り付く、他愛も無い他人の人生…






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真っ白な画用紙に雪景色を描こうとしたんだ。



僕は…





真っ白な絵の具で雪景色を描こうとしたんだ。



僕は…





完璧なまでの「白」。

完璧な雪景色。

完璧だったんだ…



僕は…





すべてはあの


白い

白い

白い

世界…



すべて


真っ白だったんだ…






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赤い雨が降る

青い星。


天空を暗黒に染め

地上を深紅に染める。



こうもりの目をした

銀色のトンボ達…



ヴァルキューレに

選ばれし者。



羽を震わせ

ワーグナーを指揮する。



黒服の男は

アルフレッド・ショルツ。



安物の理想を

売りさばき、

仕組まれた

幻想を埋め込む。



合唱を望む者が

差し出すのは

自らの命。



大音量のコーラスは

耳を塞いだ者たちの

涙も染める。




今日も降り続く

赤い雨は、

黒い海さえも

赤く染める。





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とてつもなく

なまあたたかい

世界から


まだ、

頭さえも出なく

君は

途方に暮れている。




知ってるよ。




そんな君には

想像を絶する「愛」が

待ち構えているよ。



覚悟しておいて。





恐ろしいほどに

凍てついた

世界に


まだ、

足を踏み出せない

君は

怒りに身もだえる。




知らないよ。




そんな君には

想像を絶する「罰」が

用意されている。




逃げられないよ。



君の計画は失敗さ。

後でわかるよ。





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発光する


色。

色。

色。


喧騒の中の静寂は、

甘い甘い罠と

ほろ苦い極楽を

売りさばく。



いつも同じ角に立つ売人。



口を開けろと耳元で囁く。








逆流する


人。

人。

人。



狂乱の先の呪縛は、

渋い渋い教えと

甘酸っぱい白夢を

賭博にかける。



いつも同じ切り札の死神。



ロウソクの残りを耳元で呟く。





今日もまた黒い羽は

朝の異臭に吸い寄せられ

昨日の夢をむさぼり食う…



私には見慣れた

ただの風景…







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あまりにも透明なその世界は、

僕の身体を擦り抜ける。



わずかに残る記憶…


真夏の夢の様…


中心から白くなるその景色は、

悪夢の逆回し…



とてつもなく眩しく、

果てしない

暗黒世界の入口。




紙一重…





わかりきった事、割り切れない。





ギリギリ…





瞳を焼き尽くす真直ぐな視線。




僕は…



憎しみの対象を創り出し


そいつを十字架に貼り付けて、


知らぬ振りして


切り刻んでしまうんだ!





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青い光に照らされて

背中に気配を感じれば

わたしの陰は羽交締め。

気がつけば天で見つめる兎と兎。



あわてないで

街の狂喜にかくれんぼ。







銀の光に導かれ

影に視線を感じたら

わたしは瞳を鷲掴み。

振り返れば天で微笑む蟹と蟹。



おちついて

人の狂気でおにごっこ。






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瞬く間

沁みこむ

重雲。



天に刺す

幾千万の

鉛玉。




地を焦し

脱げ道を塞ぎ


よろめく私を

串刺しにする



雷鳴。





嗚呼


私を

欠片にして…


何もかも

差し出すわ。



嗚呼


私を…









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座り心地が良いとは

とても言えないけれど、


これがわたしに

与えられた椅子。


この定めの時を恨む。



愛着が無いといえば

嘘になるかもしれない。


これがわたしの

座ってきた椅子。



あの日の自分を呪う。



本当はとてもとても

愛しているに違いない。


それがわたしが

へばり付いた椅子。



腐って朽ちる日を願う。




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夢という

罠におぼれ

現実という

仕掛けにはまる。


過去は

塗り替えられないけど


今を

塗りつぶす事は出来る




打算…




心と体を切り離し

描けないキャンバスに

ペンキをぶちまける





希望という

地雷を踏み

性という

ミサイルを撃つ


未来は

塗り替えられないけど


今を

上塗りする事は出来る




妥協…





体と体をひとつにし

他人のキャンバスに

ペンキをぶちまける





何が描けたの?






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放物線を描く

あかい光。



身体が覚えた

スピードで、

摩天楼は鏡の国へ。



まるでタイムトリップ。



変拍子で

踏み続ける

アクセル。



いつもこうなのさ。





乱気流で舞う

ぬるい煙。



頭脳が感じた

ドラッグで

蜃気楼は幻の都へ。



まるでタイムトラベル。



即興で

奏で続ける

レクイエム。



いつもここなのさ。







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薄闇迫る駅。

幾度となく

髪を揺らす風。



燈るオレンジに

蟲たちは

誘き出される。



いつも同じページに

挿まれたしおり…





突風のごとく

艶めく閃光に

反射するブラック。



蟲たちは

秘めた旋律に

狂った舞をはじめる。



いつも同じ時刻まで

座り続けるわたし…





僅かに交差する時間。


その永遠とも思える

一瞬の幸福を感じる


その為だけに…








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カタツムリ、

葉っぱの影から

首出せば、

傘の色を

選り好み。



アマガエル、

葉っぱの上で

背中見せれば、

傘の柄を

選り好み。



七変化の初夏、

八面玲瓏の小雨かな。







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昨日に捨てられた

訳じゃない。


ただ、

恍惚と誘われて、

銜え煙草で

夜を彷徨う。



過ぎる光は

聡明な黒。


風切る音は

残酷な白。



狭まる閃光が

快楽に近づけば、


何もかも

置いて行くのさ…







明日を見失った

訳じゃない。


ただ、

曖昧に魅せられて、

銜え煙草で

夜に舞散る。



叫ぶ英雄は

陳腐な青。


笑う道化は

冷酷な赤。



閉じる世界が

沈黙を破れば、


すべてを

捨てて行くのさ…








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銀色の空から

真っ直ぐに

描かれた雨。


目の前は

擦り切れた

無声映画。


アスファルトで

奏でたブルースは

街の雑音を相殺する。




遠い過去から

小さな瞳に

突き刺さる雨。


巷では

出来過ぎの

名作劇場。


滲む点滅信号で

刻んだリズムは

内なる心音を抹殺する。




まどろみから

同じ速度で

降り注ぐ雨。


耳を傾け

聞こえるは

純文学。


窓に映る姿に

捧げた交響曲は

メリハリの無い長い雨。







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キレイごとなんて

これっぽっちも

通用しない。



正しいことなんて

くだらない

幻想にすぎない。



薄っぺらな博愛は

もちろんのこと。


深い愛情だって

粉々に砕かれてしまう。



これが本当の世の中。



嘘じゃない。





薄汚いことも

あたり前のように

まかり通る。



義理人情なんて

カッコつけの

ポーズにすぎない。


見え透いた偽善は

当然のこと。


無垢な慈悲だって

簡単にぶっ飛んでしまう。



それが本当の人間。



嘘じゃない。








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まだ誰も居ない

早朝の教室。


黒板には

相々傘の落書き。



友達の名前…



わたしはあなたの

後ろの席に座る。


眩しい光の中に

あなたの

背中が見える。






もう誰も居ない

夕方の教室。


校門には

待人の姿。



友達の笑み…



わたしはあなたの

前の席に座る。


鈍い暗がりの中に

わたしの

背中が見える。







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この醜き世界に

足を捕られ

泥の中。



こびりついた

汚れを舐め、

苦虫を噛む。



這い上がる先に

睡蓮の花。





なまぬるい視線に

肩を震わせ

泥の中。



染み付いた

匂いを嗅ぎ、

唇を噛む。



込み上げる願いは

泥中の蓮。







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赤・青・黄色。

虹色に並んだ

色鉛筆。



お気入りの

色だけ

だんだん

短くなっていく。


わたしは

緑が大好きで、

次に好きなのは青。


気が付けば、

並んだ色鉛筆は

虹色のドレミパイプ。



時がたてば経つほど

深みのある

綺麗な音色を奏でるの。




白・黒・灰色。

隅っこで背伸びした

色鉛筆。



使われない

色たちは

いつまでも

ノッポさんたち。



わたしは

白も大好きで、

本当は黒が

一番好きだけど。



なぜか

絵を描くときは

引っ込みがちな

色たち。



気が付けば、

残った色鉛筆は

歯抜けのシロフォン。



高いか低いか

両極端。



ぎこちない

不協和音しか

奏でられないの。






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窓から

そっと抜け出して

カエル鳴く夕暮れ

待ち合わせ。



山の向こうに落ちる黒。



ギュッと

頬を押しあてて

優しい鼓動感じる

二人乗り。



月明かりが白を照らす。


夜空には、

降りそうな星たち。



何気ない

今日の出来事を

特別に語る二人。



刻まれる思い出…



お月様が遠慮して

夜空は黒を深くする。



約束の時間。




流れ出す星たち

瞳に映るいくつも光。




永遠となる時間…



二人が

秘密を交わした

星降るある日。







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森の誘いに立ち止まる。


静寂は時間を深緑に染める。




深紅のけもの道。



小鹿の後を歩く。




出迎えた泉は

歓迎の濃霧を張り巡らす。




水面に写るはアフロディーテ。




私は、両性具有のヤモリとなる。








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